伝統文化を英語で学ぶ!『全文英訳万葉集』の全国配布開始
神田外語グループが、全4516首を英訳した『全文英訳万葉集』を全国の教育機関や公立図書館に無償で配布する取り組みを始めました。本書は日本最古の歌集である万葉集を、英語を通じて国内外に広めることを目的にしています。福島県と千葉県での実績を経て、ついに全国レベルでの展開が決定したのです。
取り組みの背景
神田外語グループは、「言葉は世界をつなぐ平和の礎」という建学の理念の下、国際的な教育の実現を目指しています。その中でも特に注目されているのが、日本文化の理解を深めるための施策です。万葉集は日本の古代詩が集められたもので、さまざまな身分の人々の感情や生活を詠んだ作品が収められています。この貴重な文化遺産を英訳し、外国人にも伝えることが重要だと考えられています。
これまで、福島県では震災復興と次世代教育支援の一環として寄贈が行われ、千葉県では地元校への限定配布が実施されてきました。このような先行事例を受けて、全国の教育機関・図書館への拡大が決定されたのです。
全国への配布詳細
今回の取り組みでは、希望する教育機関や公立図書館に対して、先着順で無料で本書が提供されます。配布数は限定200冊であり、各学校や図書館において英語教育や探究学習などにおける教材として活用が期待されています。
希望される場合は、メールにて申し込みを行う必要があります。具体的には、学校名や連絡先を記載して申請する形で、申し込みは先着順となります。配布の目安は、2025年8月末を予定しています。
万葉集の魅力
『全文英訳万葉集』は、万葉集の502首からなる全作品を含んでいます。これまで一部の詩が英訳されることはありましたが、全体が英語で読むことができるのはこの取り組みが初めてです。その内容は、5-7調のリズムに並べられ、情景を容易に思い描かせる工夫がされています。また、男子の歌から女性の歌、貴族から庶民まで様々な視点が盛り込まれているため、文化の多様性を感じることができるでしょう。
さらに、万葉集の英訳を通して、様々な価値観や文化を認識し、理解することができるという意義があります。教育現場で英語を学ぶ生徒たちが、自国の文化を国際的な舞台で発信できる能力を育むことができます。
このプロジェクトは、ただ単に英語を学ぶだけではなく、日本文化の深い理解を促進し、多文化共生社会の実現にも寄与することが期待されています。今後、どのように日本文化を世界に広めていくのか、注目が集まっています。